UP BEAT CLUB
UP BEAT CLUB イベントレビュー

第6回 2009年3月18日(水)

松井 龍哉氏  ロボットデザイナー

フラワー・ロボティクス株式会社代表取締役の松井龍哉氏が今回のゲスト。人間とロボットは互いに能力を補いながら共存すべきだという松井氏に、ロボットの未来についてお話をお聞きしました。

ロボットの未来

「人を惹きつける何かを持っているのがロボット。そこが面白い」と語る松井氏は、マネキン型ロボットの『Palette』(パレット)を開発したロボットデザイナーでもあります。
「パレットは先端テクノロジーの粋をきわめたロボットではありません。人感センサーがついており、人を感知すると動くようになっているマネキン型ロボットで、人に見られることに喜びを感じます。どういったポーズをすれば、お客様により長く見てもらえるのか、周囲の環境から得た情報をもとに学習するようになっています」
 現在、多くの機関や企業がさまざまなロボットを開発しています。そのうちの1つが介護ロボット。実用化はすぐそこまできています。
「これからは、生活に根ざしたロボットが求められます。そこで、キーワードになるのが『危険』です。ロボットが人に怪我をさせるようではいけません。そうなると、必然的に、弾力があるやわらかい質感でやさしく動作するテクノロジーを持ったロボットでなければならないんです。例えば、現在のロボットでも湯舟から人をあげ、風呂場からリビングに移動させることは可能です。ところが、濡れた体をどれくらいの加減で拭けばいいのか、そういったデリケートな部分まで覚えさせるのは難しい。『重いものを持ち上げたり、移動させたりすることができるから介護に生かそうという』そんなロボットありきの考えでは駄目なんです」
 介護を必要とするターゲットの生活パターンにあったロボットを開発しなければならないと松井氏は説明します。

利を提供するロボット

「現在は、ロボット開発者がどこにゴールをおいているか、開発者への課題が突きつけられている状態です。ロボット開発者が、サブプライムローン問題を別次元のことと考えているようならまずいですね。何か問題が起こればすべては開発者の責任ですから。確かなマインド、ロボットに対するしっかりとしたビジョンを持った人物が、ロボット産業を引っ張っていかなければ、今後の発展は厳しいものとなるでしょう」
 どういったシーンにロボットがあると便利なのか。それはUPも同じこと。UPのヘビーユーザーである松井氏は次のように話します。
「どういった場所でUPが使えると便利なのか、UPを使った新しい遊びをクリエイターたちが考えるべきです。ロボットもUPも、どういった『利』(利便性)を提供してもらえるのか、それが明確になれば人々に受け入れられるでしょう」

松井龍哉氏 プロフィール

松井龍哉氏 フラワー・ロボティクス(株)代表取締役/ロボットデザイナー
1969年東京生まれ。日大芸術学部卒。丹下健三都市建築設計研究所などを経て、2001年フラワー・ロボティクス(株)設立。「SIG」「PINO」でグッドデザイン賞受賞、航空会社スターフライヤーのトータルデザインでグッドデザイン賞受賞、「新日本様式百選」に選ばれる。近作にDUNHILL銀座本店の店舗設計など。
2008年水戸芸術館にて「松井龍哉展 フラワー・ロボティクス」が開催された。 早稲田大学理工学部非常勤講師。グッドデザイン賞審査員。

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